第17回国際古地図研究協会
東京シンポジウム
International Map Collectors' Society
17th International Symposium, Tokyo

Mapping Japan





IMCoS東京シンポジウム報告

                                                                      実行委員長 藤原英郎

 IMCoS東京シンポジウムは盛況理に予定どおり終了しました。東京シンポジウム実行
委員長としてお礼を述べさせていただきます。
   まず、多大のご支援をいただいた国土地理院、江戸東京博物館、北区飛鳥山博物館、
社団法人東京倶楽部、株式会社ゼンリン、国際航業株式会社、株式会社国際地学協会、
柏書房株式会社に対してあらためて厚くお礼申しあげます。シンポジウムのハイライト
である講演会をもり立てていただいた海野一隆大阪大学名誉教授ほかの講演者の
方々に対して感謝申しあげます。海外も含めて大勢の方に参加していただきましたが、
本当にありがとうございました。
 当会の中村会長、井口・吉井副会長、堀内理事をはじめとする各理事の方々にも
大変お世話になりました。東京シンポジウム終了後に京都と神戸で海外参加者に対する
古地図鑑賞を準備していただいた吉井副会長、大塚・三好両氏、通訳をしていただいた
南波亘子さんにもお礼申しあげます。
 最後に、実行委員会の各委員の長期間にわたるご協力とシンポジウム期間中における
各行事遂行のご協力に対して深く感謝いたします。
 東京シンポジウムは日本古地図学会にとりましても最大級のイベントであったと自負
しています。学会の存在と名前も、国内はもとより国際的にも確立したと考えます。
これを機会に学会の一層の発展をはかろうではありませんか。古地図の愛好家は全世界におり、
国際的な広がりをもっています。東京シンポジウムを機会に、学会の活動も世界に広げて
いこうではありませんか。国際シンポジウムは来年はトルコのイスタンブールで、
再来年はアイスランドのレイキャビックで開催されます。これからは日本からも多くの人が参加し、
古地図愛好家の国際的な輪が広がっていくことを願っています。
 IMCoSのジェニイ・ハーベイ理事長とスーザン・ゴール国際部長からそれぞれ丁重な
礼状が届いていますので、その要旨を紹介します。
 ジェニイ・ハーベイ理事長「シンポジウム成功おめでとうございます。多大なご努力に
対して深謝します。古地図に関する東西の理解を深めるというシンポジウムの目的は
十分達成されました。日本古地図という“外交使節”はいまや全世界に発信されました。
この輪は広がっていくでしょう。京都と神戸も印象深いものでした。とくに神戸がこんなに
短期間に震災から復興したことは驚きでした。今後とも親交を深めていきたいと思います。」
スーザン・ゴール国際部長「お陰様で日本では楽しい時を過ごせました。東京シンポジウムは
すべての点で完璧でした。予稿集の質は高く、古地図展示も多彩でした。ホテルも
すべての点で満足でした。全参加者を代表して皆様にお礼申しあげます。ほとんどの
参加者は初めての日本訪問でしたが、すべて期待していた以上でした。関西旅行も
大変すばらしいものでした。来年のイスタンブールの準備を始めていますが、東京の
後でトルコは少し苦労するかもしれませんね。再会を願っています。」
以上のとおり、いずれも東京シンポジウムには大変満足であった様子がうかがわれます。
また、「日本地図の歴史と多様な地図文化」を広く知ってもらい、地図を通じた学術文化の
国際交流に貢献したいというわれわれの意図も十分達成できたものと考えます。
(参加者103名 内海外49名)

IMCoS 98東京シンポジウム行事内容

期間 1998年10月3日(土)〜10月6日(火) メイン会場 KKRホテル東京(竹橋会館) 10月3日(土) KKRホテル東京 1800-2000: 歓迎レセプション ・井口悦男副会長歓迎挨拶 ・ジェニイ・ハーベイIMCoS理事長挨拶 ・野々村邦男国土地理院長による乾杯の挨拶  会場には古地図を展示し、中村会長夫人による茶席にも多くの方に参加していただきました。 10月4日(日) KKRホテル東京  午前 シンポジウム 歓迎挨拶        中村宗敏(日本古地図学会会長) 基調講演 日本の地図学の特色   海野一隆(大阪大学名誉教授) 世界地図屏風について         三好唯義(神戸市立博物館) 江戸時代日本の古地図        山下和正(建築家) 午後 江戸東京博物館見学会    同博物館所蔵の江戸図を特別見学 10月5日(月) 筑波研究学園都市へのバスツアー 国土地理院「地図と測量の科学館」見学 ・野々村邦男院長の特別講演 ・企画展近代地図の黎明期から完成まで見学 ・国土地理院所蔵の古地図の見学 10月6日(火) KKRホテル東京 午前 シンポジウム アレクサンダーからアブラハムまで−ルネッサンス期 西欧地図上のアジア像           ルッツ・ワルター(日本古地図学会) 江戸幕府の国絵図事業          川村博忠(東亜大学) 空飛ぶ絵師―五雲亭貞秀と鳥瞰図   横田洋一(神奈川県立歴史博物館) 地図の中の富士山             堀内立三(日本古地図学会) 午後 北区飛鳥山博物館 江戸古地図見学会 企画展「古地図の愉しみ−山下和正コレクションより」見学 1800-2000: 夕食会 ・ 藤原英郎実行委員長挨拶 ・ スーザン・ゴールIMCoS国際部長挨拶 ・ 吉井貞俊副会長挨拶 ・ 東京シンポジウム実行委員紹介 ・ IMCoS役員の紹介 ・ 次回開催トルコ代表Mr. Katircioglu氏挨拶 ・ 参加者全員による手締め  海外からの参加者は、シンポジウム終了後関西旅行を行い、10月8日(木)に 京都下鴨神社での京都図の鑑賞会、10月10日(土)に神戸市立博物館で古地図鑑賞 を行い帰路につきました。

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First issue 02.Dec.1998