神奈川の《富士塚》探訪記


ニュータウンに残った山田富士




山田富士
横浜市都築区北山田一丁目 丘陵利用 山真講
 

  
 横浜港北ニュータウンに残った「山田富士」に行ってきました。
 場所は、港北ニュータウンに開通した横浜市営地下鉄「北センター」駅の
北西約1.5km(北山田一丁目)、歩いて約25分ぐらいで着きました。
(「北センター」に散歩コースの案内板有り)
 この「山田富士」、今までにないパターンで尾根の末端を利用してつくられており、
実際に山を築いたのは5メートルぐらいですが、麓からみるとなかなか立派な富士山に
見えます。
 一万分一地形図「鷺沼」には丸い土塁の記号で描かれており、
比高は25mぐらい有りそうです。
国土地理院発行 一万分一地形図「鷺沼」
昭和59年編集 昭和60年5月30日発行 昭和59年編集 平成7年修正 平成8年6月1日発行
 この周辺は港北ニュータウンの開発で、丘陵が住宅地に変わってしまいましたが、
この富士塚があるあたりだけ、公園として残されています。
 階段を登って尾根伝いに行くと築山のような頂上が現れ、さらに階段で
頂上に登れます。

 富士塚は、江戸時代に江戸を中心として栄えた富
士信仰にともなって造られたもので、富士山に登り
参拝できない人々のために、土盛りした小形の人造
富士を地元に築造したのです。県内では、川崎市・
横浜市北西部を中心に多数分布していましたが、そ
の多くは都市化によって失われてしまいました。
ここに保存されている山田富士塚は、1828年に成
立した『新編武蔵風土記稿』の山田村の条にその名
が記されていることから、江戸時代末期には既に造ら
れていました。火口を忠実に表現したコニーデ式
の整ったもので、富士山をよく眺望できる標高40m
の丘陵の先端部に造られています。
平成3年3月          横浜市教育委員会
山田富士塚の大きさ
径   : 20m 高さ    : 8m
頂部径 : 9m  頂部火口径 : 6m(案内板より引用)

 山頂からはあたりが一望でき、山の中腹な桜が植えられ、丁度満開でお花見も 合わせてできました。(雨模様だったので、どんちゃん騒ぎはありませんでした) また、お鉢を模した窪みがあり、中に三角点のような形の古い石碑がありました。 (山頂から東側を望む)

 山頂から見るとあたりは、住宅建設がいたるところで行われています。
昔の風景と比べて、あまりの変わりように富士塚もさぞ驚いていると思います。
 西側も開けているので富士山も見えると思いますが、今でも変わらないのは
遠くに見える富士山の姿ではないでしょうか。

 近くには「山田富士」というバス停ができています。(路線を新設したようです)
「センター北」「鷺沼」「綱島」駅と連絡していますが、どれも1時間に1本程度です。
 近くには「横浜市立歴史博物館」や「大塚・歳勝土遺跡公園」があります。

参考資料 『市民グラフ ヨコハマ』第99号(横浜・地下鉄で行く小さな旅)





|前のページへ..
First issue Apr.28 1997(Rev.0)