鳥海山


鳥海山



象潟港からの鳥海山
 今年の夏休みは鳥海山に登ってきました。本格的な登山は約10年ぶり、
丁度最盛期の花を見たり、雪渓で遊びながら、歩行時間は上り5時間、下り4時間の
のんびりペース、復活第1戦としては良い山を選んだと思っています。
 象潟から朝一番のバスで五合目の鉾立に至り頂上の神社泊、翌日は同じ道を鳥海湖
経由で戻ってきました。

 途中の登山道は新しく石段になっています。
山の上にあれだけ石段を築くのは大変ですが、羽黒山の石段のように
なるにはどれだけ時間がかかるでしょう。
鳥海湖のあたりは、高山植物の宝庫で、ニッコウキスゲは盛りを過ぎていましたが、
チョウカイフスマ、イワブクロといった花が盛りでした。

  
扇子森からの鳥海湖          六合目 賽の河原附近の雪渓

 頂上から日本海に沈む夕日を眺めていると、意外な場所に酒田沖に浮かぶ飛島を
見つけました。日本地図を頭の中に描き、なるほどこんなところに見えるのかと
納得しました。

  
雲の合間から見る飛島

 頂上の大物忌神社の宿泊には予約がいることを前日まで知らず、当日鉾立のバス停
より電話して素泊りなら可ということで宿泊できました。それにしても、登山者は
中高年の方が多いですね。皆さん持っているのは、エリア別のガイドマップで、
地形図を見ていると道や現在位置を良く聞かれました。

  
大物忌神社        新山(大物忌神社の屋根が見える)    神社の裏の雪渓(水場あり)

 朝は霧で何も見えませんでしたが、日本海に沈む夕日は小屋の
上から良く見えました。東に延びる影が山の形をしていたので、
これも影鳥海と言えるのでしょうか?合わせてブロッケン現象も見えました。

 
ブロッケンの妖怪           日本海に沈む夕日

 鳥海山は、有史以来何度も噴火を繰り返し、頂上付近は複雑が火山地形となっており
最近は昭和47年に噴火したとのこと、帰ってから早速一万分一火山基本図「鳥海山」
を購入し、「山の地図と地形」で火山地形の復習をしています。

  
山頂附近の岩の数々

 「山の地図と地形」には鳥海山のことが象潟も含めて5ページにわたって図入りで
説明があります。これによれば、西側と東側で大きな山体崩壊があり、大きな馬蹄形の
カルデラが出来たそうです。最高点の新山は1801年の噴火で形成された
とのことで、現場を見ると、岩が散乱して複雑な地形を作り、大きな力が
働いた様子が想像されます。

 
七五三掛から見たカルデラ                             神社から千蛇谷を見下ろす

 
鳥海湖の全景                  


鳥海湖からの鍋森

 庄内平野から見る鳥海山、裾を長く延ばした姿は、出羽富士の名のとおり
風格があります。山形、秋田の県境は、地形とは無関係に直線的に決められています。
この境界は、宗教争いの結果の妥協の産物だそうです。


象潟から見た鳥海山

 
山形・秋田県境にある三崎公園(県境が手前の三角点標石を通る)



コースタイム(参考)
1日目 大物忌神社泊(97年7月31日)
象潟駅7:45朝一番のバスで鉾立へ
鉾立(五合目)バス停8:299:05鳥海ブルーラインが無料となったのでバス料金が値下げされていた
賽の河原(六合目)9:5010:10雪渓や花畑あり
鳥ノ海御浜神社(七合目)10:5011:00鳥海湖が見える
御田ヶ原11:30雲間から山頂が見える
七五三掛12:1012:40千蛇谷は、崩壊のため通行不能
文殊岳13:00神社がだんだん近くなる
伏拝岳13:35この先に短い梯子有り
大物忌神社14:0014:15素泊り3、500円
新山14:30岩の間をぬって山頂到達
2日目(97年8月1日)
大物忌神社6:10生憎の霧で影鳥海は見えない
七五三掛7:157:25下りは早い
御田ヶ原7:407:45霧が晴れて見通しがきくようになる
鳥海湖8:10鍋森が良く見える
鳥ノ海御浜神社(七合目)8:559:00バスの時間に合わせて下る
鉾立(五合目)バス停10:2010:50あたりは再び霧の中
吹浦駅11:20西浦の海岸で遊ぶ

参考文献
 ヤマケイ登山学校15 山の地図と地形 (山と溪谷社) 
 アルペンガイド 2「東北の山」(山と溪谷社)
 「山の展望と地図のフォーラム」(FYAMAP)の会議室展望の広場でのコメント

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First issue Jan.05 1998(Rev.0)