裏妙義(丁須岩)


裏妙義(丁須岩)



裏妙義・丁須岩
 横川〜軽井沢間の信越本線が廃止になる直前の9月最後の土曜日の28日には、
裏妙義に行ってきました。
上野からの初電から乗継いだ長野行き列車には、朝早くから大勢乗っています。
 高崎を出てしばらくすると、右手(北側)に妙義山が見え出します。
進行方向には浅間山が裾をひいて大きく見えました。
(西側から見ると南側が少し傾いでいますが、なんとか富士と名付けたい姿です)

横川駅に着くと周辺はカメラを抱えた人だらけ、今回は横川駅から
裏妙義の御岳山を経て丁須を目指したのですが、途中に横川駅のすぐ南側の山に
空中に飛び出しているザンゲ岩を通ります。


横川駅より                  ザンゲ岩からの横川駅

 この岩の上からは、機関車が止まっている横川駅や、軽井沢に向かう線路が
良く見渡せるので、何人かが集まって岩の上は既に三脚で占領されていました。
この岩に至るには、滝を鎖につかまって登ったり、岩壁のトラバースなどがあって
かなり難しいコースですが、大きな三脚を持って良く登ったものと感心しました。


西の岩峰からの丁須岩

表妙義の白雲山、金洞山から星穴岳

左から烏帽子岩、赤岩、西大星

 打出の小槌のような格好の丁須岩、前から気になっていましたが、
今回初めて登りました。(肩の上までですが)
 すぐ西側ある岩の上からは360度の展望が得られます。
近くは表妙義の白雲山、金洞山から星穴岳にかけての切り立った尾根、
下仁田の裏の鹿岳、平らな山頂から直角に切落ちた荒船山、裏妙義の烏帽子岩、
赤岩、西大星の岩壁、それから間近に見える浅間山、遠くは上越国境の山でしょうか。


赤岩の岩壁        桟道と鎖のトラバース

 丁須岩からは、赤岩、烏帽子岩を巻いて三方境に至る裏妙義の縦走コースを
歩きましたが、途中にある赤岩の巻き道は、鉄パイプでできた桟道を鎖と伝って
歩くようになっています。鎖さえ離さなければ、足を滑らせても平気だと
思いますが、高所恐怖症の方には勧められません。
 丁須岩だけでしたら、横川から沢沿いに登るコースや、国民宿舎から登るコースが
一般向けコースとして紹介されています。(長い鎖があるので、初心者には難しい)


風穴尾根の頭手前の岩より(左から烏帽子岩、赤岩、丁須の頭)

 妙義山を見ていると、どうしてこんな形の山が出来たのか純粋に驚いてしまいます。
上から描いた地形図では岩があることは分かっても、形まで表現できません。


入牧橋から(左より西大星、赤岩、烏帽子岩)

 今回、下山後に歩いた入牧橋から横川までの間、裏妙義の西大星、赤岩、烏帽子岩が
青空を背景に夕日が当たって輝いていました。上の山の中腹を通る上信越自動車道から
も良く見えるはずです。
 横川〜軽井沢間の鉄道の車窓から見えたのも、西大星から北の尾根の岩だと
分かりましたが、今となっては昔話です。
 丁須岩までの登りで、機関車の出発合図の汽笛が谷間にこだましていましたが、
これもこれで聞き納めとなりました。


コースタイム(参考)
高崎駅7:13朝早くから大勢乗っている
横川駅7:438:05カメラを持った人が大勢
麻宇の滝8:30滝までは遊歩道が整備されている
御岳10:25丁須岩が小さく見える
丁須岩11:2511:55鎖で肩まで登れる
赤岩基部12:30岩壁のトラバースに緊張
三方境13:35沢沿いに下る
入牧橋15:10烏帽子岩、赤岩、西大星が良く見える
横川駅16:1016:17おみやげは峠の釜飯
高崎駅16:48駅の手前で浅間山が良く見えた

参考文献
 昭文社 山と高原地図15 「西上州・妙義」(1997年版)
 二万五千分一地形図「南軽井沢」

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First issue Nov.21 1997(Rev.0)