立処山


立処山



古鉄橋から見た立処山
 高気圧に覆われた今日は、西上州の立処(タトロ)山に行ってきました。
二木久夫著「西上州の岩山薮山」を読んで以来、ここから見る東福寺沢渓谷の
岩峰がずっと気になっていましたが、今回全容を見ることができました。

 立処山は、埼玉県側のから続く白石山、二子山、叶山と同じ石灰岩の山で、
中腹には小規模ながら鍾乳洞があります。中里村の古鉄橋から急な道を
30分ぐらい登ると、立処山の岩壁の基部に入口があります。
地元の青年団の手で鎖や梯子が設置してありますが、中はかなり急で、
照明などないので慣れない人には危険です。


東福寺沢渓谷の核心部
 
神ヶ原の集落              叶山の頂上部

 鍾乳洞からは崩れ易い急な登りから尾根に出て、立処山の岩峰に
南側から回り込むように道がついています。山頂の北側は絶壁になっており、
東福寺沢渓谷の岩峰が正面から良く見えます。東側は石灰岩の採掘用の
大きなショベルカーが見える叶山、南側には両神山から続く八丁尾根から、
赤岩峠に続くギザギザの尾根が見渡せます。また、足元には中里村の中心部の
神ヶ原の集落の小学校、病院、国道を走る車が鳥瞰図のように広がっています。


北の展望

南の展望

八丁尾根、赤岩尾根、大ナゲシ拡大図
両神山からの展望

 立処山からは南の尾根から志賀坂峠を越えて、埼玉県の坂本に抜けました。
最近復刻された「福澤一郎の秩父山塊」(五月書房)という本では、
白石山、二子山、叶山と続くあたりは地溝帯で、日本の地質学の搖籃期に
調査されたことを知りました。シロウト目に見ても、このあたりの山は出来が
違うのが良く分かります。
 近くには「さざ波の化石(恐竜の足跡)」「恐竜センター」などが有るようです。


  
コースタイム(参考)
立処山 1999/3/13
上野5:13いつもの高崎線始発、スキーヤーが結構乗っている
本庄6:36 7:00 途中、少し霞んだ白い浅間山が見える
鬼石(おにし)7:39 8:45 河原で石拾い、このあたりは庭石の産地
古鉄橋9:56小型バスは子供の遠足で満員、神流湖まで賑やか
鍾乳洞10:30 10:50 懐中電灯が必要、中は垂直の段差があるので要注意
立処山11:1011:50360度の展望台、正面に東福寺沢渓谷の岩峰がせまる
明家13:15山中の小平地に広がる静かな集落
間物14:00しはらくは国道を歩く、カーブをショートカット
旧道入口14:30送電線の巡視道に入る、黒い地層が目につく
志賀坂峠14:5015:00少し下ったところから二子山の岩壁が良く見える
志賀坂ロッジ跡15:15西武線が秩父まで開通し日帰り圏内になった所
河原沢川出合15:3015:50逆コースの時は堰堤の先の沢から左の尾根の取付く
坂本16:1016:39両神山の下山時以来の再訪、今日は貸切り
小鹿野17:1117:15途中、夕焼けに染まる両神山が見える
西武秩父18:0018:06クロスシートの車両に当たる
西武新宿20:10飯能、所沢で急行に乗り換える

参考文献
 二木久夫著 「西上州の岩山薮山」 現代旅行研究所 (昭和56年)
 打田英一編 「ハイグレード・ハイキング[東京周辺]」 山と渓谷社
 池内紀編・解説 「福澤一郎の秩父山塊」 五月書房 (1998年9月)
 打田英一 「関越道の山88」 白山書房
 昭文社 山と高原地図 「西上州 妙義」(1997年版)
  二万五千分一地形図 「神ヶ原」「両神山」

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First issue Mar.21 1999(Rev.0)